陰暦では卯月の二十六日。
石垣の月の出2時32分。 昨日とはうってかわって強烈な日差しだなあ。 風があってよかった。 一日中雨だったから風がないと湿気がこもってたいへん。 石垣ではこんな朝、アジアのどこということもない街角の記憶が蘇ってくるんだよなあ。 なぜか鼻の奥の方から。 この写真集もそんなアジアの記憶をまざまざとよみがえらせてくれます。 「Bikes of BURDEN」 ベトナム ホーチミン。 被写体はバイクにまたがる人々、、、とありえない荷物。 これっすよ、ベトナム。 遺跡とか名物とかじゃなくて、こんな光景に出会えるなんて予想もしていなかったところに最もその土地らしさが現れちゃう。 たとえばこの表紙の写真。 積載物は生きている(はずの)アヒルと鶏。 後側はもう鶏が地面につきそうじゃない? 日本では普通じゃないこの状況なのに、乗っている人の「ふつー」っていう顔がまたいい。 他にも大型犬2匹前後積み、米俵ほどの何かがいっぱいに詰まった麻袋前後積みの上にさらに松葉づえを二本抱えたおばさん積み、えい積み、道路と歩道をわける3メートルほどの柵二人乗りでそれぞれ片手もち積み(運転手片手運転)、生きた豚十頭ほど後ろ積み、死んだ豚3頭前後積みの上に乗って運転などなどなど。 その他にも何かよくわからないものも満載。 前書きには「こうしてありとあらゆるものを積んだバイクに出くわす理由のひとつは、新鮮な食材へのこだわりだ。冷凍食品は使わず、農場からと畜場から倉庫から直接消費者へと渡る」 と書いてあります。 なるほどね。 スローだけどファースト。 そして 「いずれもっと便利な交通機関を人々が利用するようになるとバイクはなくなり、冷凍冷蔵製品をつかうようになり、みな忙しくて市場になんていったられなくなるだろう。」と書いてあります。 実際、少しずつベトナムの風景は変わっているようで、自分たちが行った時にはたくさんいたシクロ(三輪車のリキシャ)も見かけにくくなり、バイクはヘルメット着用になったそうです(と、この本を借りたAさんが言ってました)。 そうか。 でも記憶の中からはなくならんからね。 こうした写真や朝の空気からでもそのときのベトナム直行です。
by haiderinn
| 2009-05-20 10:39
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