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白保の獅子

 昨日は旧盆の行事「アンガマ」について触れましたが、各集落ごとにおこなわれる旧盆の行事はアンガマばかりではありません。
 昨日は店を20時に閉店させていただき、旧盆の面白い行事が行われている白保に行ってまいりました。
 白保ではアンガマはありませんが、獅子舞が行われます。何軒かのお宅で見せていただきました。
 獅子舞は内地にもありますが、内地の獅子舞とはちょっと違います。
 まず顔がかわいい。こんなです。
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 そして、体は風呂敷のようなもので覆われているのではなく、もっとフサフサ。ちょっと抱きつきたくなります。
白保の獅子_a0094201_8532627.jpg白保の獅子_a0094201_8534644.jpg

 獅子使いのような方に連れてこられた獅子は2頭。三線の演奏で舞い始めます。まずは獅子同志で綱引きのようなことをしたあと、ちょっと音楽が変わります。すると見学していた子供たちなどから「レールレ!レールレ!レールレ!レールレ!」とリズムに合わせた掛け声。
 掛声と同時に人差し指を突き出して手首をひねる動作をします。これは何だろう。獅子を挑発しているような感じ。
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 すると獅子が子供のほうに向かって驚かしたり、ときにはこんな風に襲い掛かります。
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 これなんか、完全に食われてます↓
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 15分ぐらいこんな風にして楽しく舞いを見せてくれたあと獅子が連れて行かれて終わり。次の家へと向かいます。
 見せてくれたお家の方々、ありがとうございました。アンガマもそうなんですが、こうした行事のときに庭などを一般の人にも開放してくれるのが八重山のすばらしいところ。あるお祭りのときには、見知らぬ方の家の中にまで上げてもらったこともあります。東京などでは今ではちょっと考えにくい気もします。

 11年前の今日。1996年8月28日。旅の98日目。デリーへの列車に乗る。途中マンマッドという駅で乗り換え。列車を待つためプラットフォームのベンチに腰かけて本を読んでいると、一人のインド人青年が興味深げにのぞきこんでいる。縦書きの文字が珍しいようだ。
 自分が日本人とわかると「日本で働きたいのだけれど、働けるだろうか」と尋ねてきた。
 「ビザがいるよ」と答えると、少し失望した様子だったが、あきらめずに
 「働きたいんだよなあ」と言ってくる。
 「ペインティングはやったことがあるけど、何の仕事でもいいんだよ」
 自分はどうこたえていいのか分からず
 「パキスタン人やイラン人なら日本にも大勢いるけれどインド人はそんなに多くないと思うよ」(今は違います)とお茶を濁すと、ようやくあきらめて話を変えてきた。
 「カメラ持ってるかい?」
 「いや、ないんだ」と答えると彼ら(いつの間にかほかに3人集まっていた)は少し驚いていたが
 「全部頭に入れとくんだ」というと大いに笑って、こんどは
 「じゃ、腕時計を見せてよ」と言ってきた。
 「それもないんだよ」と自分。今度はかなり驚いたようだった。
 「日本の時計がほしいんだよなあ」と最初に来た男
 「おれたちみんな貧乏なんだよ(WE ARE ALL POOR MEN)。 こいつも。 こいつも。 こいつも。 おれも。」
 と言ってさびしく笑い、握手を求めて去っていた。
 でもどうしようもないじゃないか。
by haiderinn | 2007-08-28 09:26 | 島のこんな話題
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