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今日は楽しいオリオン・ビアフェスト

 昨日はお店を早じまいさせていただきました。おいでになったお客さま申し訳ございませんでした。
 早じまいのわけはオリオン・ビアフェスト。こんな大きなお祭りがある日は石垣の方々はそちらに足を向けるので、祭り会場から遠い朔のあたりはガラガラ。隣の「ランタナ」という飲み屋さんも臨時休業。並びの床屋さんも早じまい。いいわけしてるみたいですが。
 17時に営業終了して、19時には自分たちも祭りに行くかな、と思っていたのですが、、、、。日曜日とあってかお昼のお客様が比較的多く、予想外に仕込みが増えてしまったー。
 19時。全然終わらない。「8時までには終わるよね」
 20時。。。。「9時の花火だけは見よう!」
 20時45分。ようやく仕事も終わりそうだ。最後にゴミを表に出してと、、ぎりぎり花火に間に合うかも、、、
 ボフ!パラ、パラ、パラ、パラ
 花火開始。えー、9時っていってたのにー。
 音だけむなしく響き渡る。それでも「車で走れば少し見えるかもね」、と全て仕事を終って車に乗る時、
 「あ、見えた」
 隣のアパートの影からデッカイ花火の8分の1が。
 それで、シーン。最後のデッカイやつだった。
 皆さん、楽しかったですかあ?

 11年前の今日。旅の41日目。ナムツォへのトレッキングの2日目。朝からラヒツェレたちがやってきて、ワイ談(というか、言葉はわからないのでワイ・ゼスチャーだったのだろう)。自分のすね毛をみせたら、「ウエー。お前はヤクか!」と気味悪がられた。
 テントを畳んで出発。荷物が重い。ゼエゼエいって歩いているのにラヒツェレたちがまとわりつき話しかけてくる。自分たちの土地の民謡みたいなものを上手に歌い、今度は日本の歌を歌え!という。んー?歌ねえ。二人でとっさに歌詞を見ないで歌える歌が思いつかない。仕方なく「せまるー、ショッカー。地獄のぐーんーだーん。。。」って歌い始めたのだが、歌詞の意味もわからないくせにラヒツェレたちが一気に白けてしまった。クソー。こっちは標高が高くてただでさえ大変なのに、重いもの背負って歌なんて無理なんだよ。
 しばらくして道端に小鳥のひながいた。ラヒツェレたちはそれをひろってどこかにいってしまった。正直ほっとする。
 無言でアップダウンの道を進む。ナムツォはまだか。あとどれくらいか全然わからない。ただ、行く先に山が見えるからいずれ峠をこさねばならないだろう。きつい。今日もたどりつくのは無理かも。
 と思っているところへ。車の音がしてきた。振り返るとトラクターだ。そしてその周りを元気にラヒツェレたちが走ってくる。
 乗って行け、と言ってくれたトラクターは後ろの荷台に何本も丸太を乗せたものだった。ラッキー。乗せてもらおう。トレッキングだけれど別に完全に歩くことにはこだわっていなかった。
 ラヒツェレたちは、山の向こうで会おう!と言って山猿のように走って散っていった。
 トラクターは小走り程度のスピード。坂道で標高が高く、荷物も自分たちも乗せているのでその程度しかスピードが出ない。しかし、一度トラクターを降りると、荷物を背負っていなくても、そのスピードにすらついていけない。それぐらい空気が薄くてしんどい。
 峠に向けて標高があがってくると肌寒くなってきた。なんだか熱っぽくもなってきたが、もしかしたら風邪ではなく高山病かもしれない。
 ようやく峠。トラクターはストップ。運転手のおっさんの他2人ぐらい乗っていたチベット人たちも降りた。峠には石を積み上げた小さな塔とそこから万国旗のようにカラフルなタルチョと呼ばれるチベットのお経を書いた布が張られていた。おっさんたちはいつもそうしているのか、持ってきたタルチョを結びつけお祈りをしていた。
 下り坂。今度は、ぼこぼこ道を容赦のないスピードで進み、荷台の丸太にしがみつく自分たちはロデオ状態となりながらも、ようやくナムツォ村に到着。
 しかし、目指す湖のほとりまでは、まだまだ先だ。再びトレッキング開始。このあたりはもう一面の草原が広がっている。ずんずん歩けばいずれつくだろう。と思いきや、草原というものは意外に平坦ではない。小川も流れていて迂回したりしなければならない。
 峠で感じた寒気が続いていたので、今日のところは湖に到着しないけれども適当な窪地を選んでテントを張ることにした。
 自分はとりあえず寝袋でダウン。O君は元気で、ちょっと湖の近くに行ってみる、と言って出て行った。
 1時間半ほど眠った午後8時ごろ、ぼんやりだが目が覚めた。外はまだ明るいが日暮れ時だ。しばらくして少し不安になった。O君がまだ戻ってこない。
 O君はこの草原の中に出て行って、どうやって戻ってくるのだろう。草原はどこまでいっても同じ景色だ。慣れない外国人に見分けのつくランドマークなんてありゃしない。この窪地の緑色のテントは遠くからでも見えるのだろうか。
 日が暮れて、湖の向こうの空が紫色に染まってきた。双眼鏡でのぞいて見ても黒い牛の姿しか見えない。
 完全に太陽の光が消えた。双眼鏡には何も映らない。O君は戻ってこれなくなったと考えざるを得なくなった。ヘッドランプのスイッチを入れて灯台のようにグルグル回ってみた。日が暮れると高度3000m以上のこの場所では、この季節でもかなり寒い。オオカミも出るときく。誰かに連絡しようにも、人家の明かりははるか遠くにあるかないかほど。そこまでは道などない。ちょっとこわくて出ていけなかった。当然ながら携帯電話などない。
 ふいに「オーイ」という声が聞こえたような気がした。その方向めがけライトを向けてみた。しかし反応はない。またしばらくして「オーイ」という声。間違いない、O君だ。ライトを点滅させてみる。
 しかし、その声を最後に反応がなくなってしまった。しばらくまた灯台のようにライトをつけたりしてみたが、いつの間にか自分もテントがどちらの方向にあるのかわからなくなりかけた。とてもおそろしくなった。見知らぬ土地の自然の中に一人というのはなんとも心細い。
 夜10時半。ライトを照らす気力がなえてしまった。でもこのライトの方向目ざしO君が進んでいる途中だとしたら?しかし罪悪感にあっさり疲労と高山病と睡魔が勝ってしまった。
by haiderinn | 2007-07-02 10:32 | こんな毎日
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