<< この時期のスペシャルメニュー あの家族の今は、、 >>

「いつか」の味

 はやりの本はとりあえず買わないことにしています。
 正確に言うと、「面白い」と自分が認める前に流行っているのを知ってしまうと、どうも買う気が失せます。
 逆に、立ち読みして面白かった本が売れていると知ると「やっぱりな」などと思い、ちょっと鼻の穴が膨らんだりしちゃいます。
 「ノルウェイの森」なんかは絶対に買うものか、と思った本の代表でした。
 貧乏アジア旅も猿岩石に続いて大量のバックパッカーが出現した後だったらやっていなかったかもしれないし、沖縄移住も、移住がブームのように言われているのをちゃんと知っていたら、もしかしたらもっと抵抗感があったかもしれません。
 が、とりあえずここは本の話し。

 「南仏プロヴァンスの12カ月」(ピーター・メイル)もかなり話題になった本で、そのせいで通り過ぎた一冊です。
 2002年。
 日韓サッカーワールドカップで日本が煮え切らない感じで姿を消した後、私と料理長はフランスへ行ってきました。
 そのとき料理長が旅のお供に持ってきたのが、そのピーター・メイルの「南仏プロヴァンス・・・」でした。
 こーれが面白かった。
 プロヴァンスの地元人のキャラのたっていることといったらない。
 それだけでも面白いのに、料理がまたとってもうまそうだった。
 田舎道にある長距離トラックの運ちゃんが集まる食堂(フランスではトラックの運ちゃんが食べるのも当然フランス料理)とか、どんなガイドブックを読むよりもこの一冊を読んだほうがプロヴァンスをめぐるのに役にたつようです。
 その後も何冊か「南仏プロヴァンス」シリーズが出版されていたようで、先日図書館で見つけて(「南仏プロヴァンスの昼下り」)久しぶりに読んでみることにしました。

 相変わらず面白かった中に、「アリゴ」の話が載っていました。
 「アリゴ」とはフランス オーベルニュ地方の名物料理。
 マッシュしたジャガイモとチーズから作るのですが、とにかくヘラを頭上より高く上げても糸を引いて切れることがない、というぐらい粘り強いものらしいです。
 この「アリゴ」については玉村豊男の「パリのカフェをつくった人々」(これもお勧め)という本にも載っていて、料理長がどうしてもこれが食べたいというので、その2002年のフランスのときにオーベルニュ地方の中心都市クレルモン=フェランまで、そのためにわざわざ行ってみました。
 丘の上の黒い姿の大きな教会が印象的な街だったのですが、オーベルニュ地方なら食べられると思っていたアリゴがどうしても見つからず、目的を果たすことができませんでした。
 なんてこった。

 ピーター・メイルによれば、それはナイフの街ラギオールレストランで食べたとのこと。
 ラギオールはクレルモン=フェランと南仏モンペリエの中間ぐらいに位置する街でオーベルニュ地方とも近いようです。
 メイルによれば
 「クリームのような舌触りで、タフィに似た粘り気のある、何とも言えない珍味である。実に口当たりがよく、お代わりをしないのは罪だと思うほど、するすると喉を通る。」
 それで、レシピが載っていたので、それも紹介すると、4人分で

 ジャガイモ2ポンド(900g)
 地元産の生チーズ、トーム・ドーブラック 1ポンド
 サワークリーム 半ポンド
 ニンニクの塊1個 ないし2個

 ジャガイモを茹でて裏漉しにかけ、これにサワークリームとチーズを加えて、命がかかっているつもりで掻き混ぜる。
 
 これだけです。
 
 ん?ニンニクはいつ入れるんだ?
 ニンニクの塊っていうと1片ではなく、まさにあの塊ごとなのか?
 塩気はなくていいのか?
 トーム・ドーブラックとは?
 
 などいくつか疑問もありましたが、適当に解釈して作ってみました。
 ニンニクはおそらく塊ごと入れたら1週間は口をきけなくなってしまうと思われたので、1片で。
 ジャガイモをマッシュするときに一緒に加えてマッシュしました。
 とりあえず塩気は後から調整するとしてレシピを信じてくわえず、トーム・ドーブラック(おそらくLa Tome Fraîche de l'Aubracのこと)などというチーズは手に入らないので、生チーズに近いと思われるカッテージチーズを自家製で作り使ってみることにしました。
 オーブラック(Aubrac)というのはラギオールがある地方の名前でトムチーズというのは調べると熟成したチーズだという説明もありますが、玉村豊男の説明でも熟成前の生チーズだと書かれてあります。
 多分ここで使っているのは熟成チーズではないと。
 だからといってカッテージチーズを使うのもなんですが、ひとまず手持ちのコマがないので、それで近づけるところまで行ってみました

 が、やはり糸を引くような粘りはでず。
 料理長などはその辺は予想していたようで、ピザ用のチーズも混ぜてみたら、という提案もあったのですが、とりあえずそれはなしでやってみました。
 味は、、、うーん、、ニンニクの効いたなめらかなチーズ入りポテサラ(具なし)でちょっと塩かけて食べてね、という代物でした。
 不味くはないけど、本物とはおそらく程遠いはず。
 多分、チーズが決め手なのだろうと思われます。
 地元でしか食べられない味ということで、あるかどうかわからない「いつか」のリストに載ったままということに落ち着きました。
 
 それでは、12月12日~17日の週替わりメニューのご紹介

a0094201_1301185.jpga0094201_1302217.jpg

 今日のカレーは「ほうれん草とチーズのカレー」から始まります。
 なくなり次第、次の「キーマカレー」にかわります。
 「ほうれん草とチーズのカレー」は辛めのインドカレーです。
 スパイシーなカレーで温まりましょう。

 今週のサラダは「大根、ベーコン、コーンのサラダ」です。
 レモンドレッシングでどうぞ。

 今週のデザートは「オレンジ風味のチョコプリン」です。
 甘く滑らかなチョコレートプリンにさわやかなオレンジソースがよく合います。
by haiderinn | 2011-12-12 01:36 | こんな毎日
<< この時期のスペシャルメニュー あの家族の今は、、 >>